ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1033話「霜月コウ三郎」 刀は実直

 1033話の感想です。

 扉絵リクエストは「たしぎが悪の怪人になってヒーローごっこをする子ペンギン達にやられてあげているところ」です。たしぎはこういうシーンが容易に想像つくから素晴らしすぎます。ところで後ろに控えるヤクザ顔負けの上司はさあ…。

第1032話「おでんの愛刀」 プテラノドンって… - ワンピース航海記録

 

 カイドウの右腕を務めるキングの実力は強大!プテラノドンの能力と本人の種族的特性でゾロを追い詰めていきます。そんな中、ゾロの閻魔がまたもや勝手に覇気を使い始めて…

ルナーリア族の生き残り

 勝手に覇気を使う閻魔に対して、ゾロはなんとかそれを抑えますが、そこにキングが向かってきます。追撃を警戒しますが、なぜかキングはゾロの前に立ってノーガードの仁王立ち。今さら彼ほどの男がゾロを舐めるような態度を取るとは思えませんが…。これにはゾロもムカついて一刺しします。

「当たりだ」

 なぜかその場でキングが大爆発!黒ひげ危機一髪かよ!

 場面は変わって遊郭付近。サンジとクイーンが対決中です。サンジが直前に通信を入れた相手がゾロであることを看破しますが、彼からすればキングに勝とうというのが不可能な話。キングはかつて絶滅した「ルナーリア族」の生き残り。その最大の特徴はいかなる環境下でも生存するもので、昔は「神」と呼ばれて崇められたそうです。

 しかしそれほど万能な種族が絶滅したのはどうも謎ですが…

「そんな事っ!!歴史に聞きやがれ!!!」

 

 場面は再び場外に。ぎりぎりのところで武装色の覇気で防いでいたゾロですが、自爆したキングにはまさかの無傷。

 あまりにも不思議な敵に、ゾロの“死・獅子歌歌”が命中しますが、頭から縦にばっさりと斬ったはずのこの攻撃すらもキングには無傷でした。それどころかいつの間にか獣形態になり、トサカを引っ張って変顔をしていました。

 しかもこのタイミングで閻魔がまたもや覇気を消費!気づいた時にはもう遅い、“貂自尊皇”がゾロの脇腹をえぐります。岩盤をも破壊するその威力…ふざけた見た目でもやっぱり強いな、この技!

シモツキ村のジジー

 落ちていくゾロは空中で手放した刀を回収していきます。まずはグランドラインに入る直前に手に入れた「三代目鬼徹」、作成者はワノ国で出会った飛徹ですが…。

 考える間もなく、キングの炎の蹴りが炸裂。もろに受けたゾロですが、叩きつけられた場所に「和道一文字」があるという不幸中の幸いです。こちらは亡き親友の形見として受け継いだ刀ですが、こちらの製作者は閻魔と同じ…。

 冷静に考えれば、東の海の辺境にどうしてワノ国の名工が打った刀があるのか。この奇妙な巡り合わせにゾロは不思議がります。

 上空からは人獣形態のキングによる乱れ斬撃“刃裏双皇(バリゾウドン)”が向かってきます。閻魔に覇気を放出されながらも、必死でいなしていきますが、接近してきたキングの翼による一撃で建物内へと押し込まれます。

 落下していく中、思い出したのはモモの助に教えた「スナッチ」の言葉。そしてゾロが少年時代にそれを教えた海岸にいた謎の爺さんのこと。彼は名前も知らずに村のジジーと言っていましたが、その人が亡くなった時にくいなの祖父であることを知りました。

 

 13年前のシモツキ村、ゾロに「スナッチ」を教えていた爺さんはタバコをふかしながら釣りに興じていました。ゾロの問いにも、話すことにもハッキリとした説明をしない妙な偏屈な爺さんでしたが、ゾロの練習を見届けていました。

 そんなある日、彼がゾロに渡したのはなんと本物の真剣。彼曰く鈍らだそうですが…。

「いいか刀は“人斬り包丁”!!人を殺す為に生まれる!!」

 いつもの偏屈な雰囲気とは違い、そこには刀鍛冶としての刀を理解する男の危機と迫る迫力がありました。人を殺す刀を多く打ってきたその職人の言葉には重みがあったのです。

「刀にも性格がありそれを服従させるのが剣士だ!!」

 これほどまで刀を理解する爺さんが最高の一振りと評価したものの性格は、これでもかというほど真面目で持った瞬間に寒気すら感じさせます。その刀に彼がつけた名前は地獄の大王の名を与えたというのです。つまり…

「地獄の大王…“閻魔”」

彼が目指す名は…

 村での噂、飛徹の情報、これらを総合するとその爺さんこそかつてワノ国を違法出国した刀鍛冶“霜月コウ三郎”なのは疑いようもありません。彼もイッポンマツも、刀自身が持ち主を選ぶと言っていました。つまり閻魔がゾロの元にあるのも、刀の意志!そして刀にあるのは悪意ではなく、その実直な性格のみ。彼がこれを使いこなせないのは、自身の力が足りないからだと自覚します。

 ではどうすれば覇気を安定させられるか…否、彼が目指す道にはこれを放出され続けても戦う力が必要なのです。後ろからはキングの援護に加わろうとする百獣海賊団が現れますが、ゾロの背後で泡を吹いて倒れます。そう、彼も持っているその覇気…

「成程…「王」にでもなる気か?」

「そうだな…船長と…親友との約束があんだ!!!」

刀を使いこなせ!

 ゾロのひとつの集大成ともなった今回の話。

 前々から霜月コウ三郎の件については触れられてきましたが、今回でその全貌が明かされました。ゾロに対して初めて真剣を渡したのも彼で、刀の本質を教えてくれたのも彼でした。あのミホークに折られた刀も彼の作品であったか…。

 記憶をひとつひとつ手繰り寄せて、かちりと閻魔との関係にハマった時、その教えを純粋に受けた彼が取った道がおでんのようにこの閻魔を使いこなそうというものが王道ながらもカッコイイものです。海賊王の右腕として、亡き親友との約束として、世界一の大剣豪を目指すのならば、おでんだって超えていかなければ!今の彼には覇王色の覇気も相応しいですね。

 そしてこのゾロがカッコよくなるほどに、引けを取らない強敵として立ち塞がるキングもいいですね。前回から本当に実感できますが、マジでこいつの底知れなさは異常です。さすがカイドウの右腕…。

 しかしクイーンがルナーリア族について説明しましたけど、どんな状況でも環境適応できるような種族がどうやって死んだのかは甚だ疑問です。しかも神なんて呼ばれていたような種族が…関係がありそうなのは天竜人、神の天敵と呼ばれた“D”の一族、あとはフーズ・フーの言っていた太陽神ニカあたりでしょうか。正直、こいつの種族ってかなりワンピースの世界観で重要ですよね。

 ところで今回出てきたコウ三郎のビジュアルですけど、和道一文字の擬人化そっくりですね。つまり他の刀の擬人化も…いや刀じゃないけどナミの天候棒の件もあるから全部そうじゃないと思いますが。しかもコウシロウ師匠と全然似てないよな…。

 想像以上に顔面インパクトがあったコウ三郎の印象に引っ張られながらも、また次回!

第1034話「サンジVSクイーン」 ケリをつけよう - ワンピース航海記録