ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1163話「約束」 世界との対決

 1163話の感想です。

 扉絵リクエストは「街中を白猿とパルクールで駆け巡るルフィ」です。もともと猿のように動き回るせいか、パルクールとの親和性が高い気がしますね。

第1162話「G・V・B・R」 大乱闘は加速する - ワンピース航海記録

 ゴッドバレーの乱戦の中で、ロックスは妻と息子を逃すための殿になることに。騎士団と操られた親族を返り討ちにしたところ、今度はサターンを依り代としたイムが降臨します。そこに白ひげと能力を得たカイドウが援軍に来て…。

ロックスVSイム

 牛鬼の姿であるサターンを依り代としたイムは、驚く海兵たちを目障りという理由で脚部による刺突!もちろん海賊たちも逃がす道理はないので、彼らにも攻撃を仕掛けていきました。

 この無差別攻撃にゴッドバレーはさらなる混乱状態。ロジャーもガープも味方がやられていました。

 そこに対するはロックス。彼を見たイムはデービー・ジョーンズと評します。もちろんジョーンズは彼の祖先であり、別人のはずですが…。ロックスも別人と言いつつ、ある約束は果たされることを主張します。ただイムはそれを危惧しており、世界を消そうと考えているようです。

「ムーの世界はまだ未完成である!!!」

「お前の世界じゃねェよ!!!」

 ということでイムとロックスの対決が始まります。これに海軍はどうしようかと考えあぐねていると、援護の為にガープが前に出ます。ただどっちを援護すると言っておらず…。

財宝は誰の手に

 その一方で海賊たちは財宝をどんどん回収。海兵たちも必死で追いますが、なかなか上手くいきません。

 そんな中、森の外れにはキャプテン・ジョンが部下を連れて待機。部下になにかを運び出させる準備をしているようですが…。

 ここでドラゴンの描写。ようやく海軍船が確認できた彼は急ぎますが、急に後方へ引っ張られる感覚が!似たような現象は周辺で起こっており、宝や武器といった金属の類がある一点に引っ張られているのです。

「集まれ財宝ォ~~~!!!」

 技の名前は“暴贖握磁気(ビッグイーター)”!ジョンによるジキジキの能力で一気に宝を回収していたのです!

 このまま彼がお宝を総取りかと思いきや、これにストップをかけたのは同じロックス海賊団のガンズイ。“空蛇乃赤砲(スカイスネークレッドキャノン)”なる小さな弾丸を撃ちだします。その威力はすさまじく、これにはジョンも能力を中断する羽目に。

 シキはジョンに攻撃した理由を問いますが、ガンズイからすれば財宝を山分けにする方がありえない話。ジョンの性格からして宝は自分の手元に置きたいでしょうし、何よりも今回のお宝は天竜人たちの賞品でもあったせいか宝箱ひとつで10億はありえる代物ばかりなのです。独り占めしたいと思うのも当然であり、それはジョンだけでなくガンズイはシキも狙い…。

一斉攻撃!

 財宝争奪戦以上に白熱するのはロックスとイムの戦い。ここに前回から援護に来た白ひげとカイドウが参戦します。しかしこのタイミングで怒ったマムが登場!カイドウに奪われた悪魔の実の一件で追いかけてきたようです。さらに部下からの静止を振りきながらガープが参戦し、加えてロジャーまで現れました。

 半ば偶然もあるとはいえ、ロックス、ガープ、ロジャー、白ひげ、マム、カイドウの強者たちによる一斉攻撃がイムに炸裂!強力な覇王色の覇気も相まって、周辺の海兵たちは一気に気絶していきます。

 この勢いと先ほどのジョンの騒動に消耗するドラゴンですが、ごたごたの中でなんと赤ん坊を落として気づいたら木片を抱えていました。赤ん坊の方は転がっていた宝箱に目をつけて…。

 悪魔の実関連で言い争っているマムやカイドウ、先ほどの一撃を誰が仕留めたかで揉めるガープやロジャーと各々が騒いでいる中、ばらばらになったかと思えたイムはあっさりと復活していきます。それどころか再生中に言及したのは、なんと逃げている他のデービー一族。エリスやティーチを確認したようです。

 それに気づいたロックスはすぐにイムを切り落としていきますが、相手はまったく意に介しません。それどころかバラバラになった状態でも黒い触手を伸ばしてロックスに突き刺します。まったくダメージは無いようですが…

「ムーは何もせぬ…ヌシアが一族を根絶せよ…!!妻と子を惨殺せよ…」

 そんなことを命令されても動く男ではありません。しかし世界の支配者にかかれば、そんな命令すらも可能とする“黒転支配”が発動!

 悪魔化していくロックスと逃げていくエリス&ティーチの描写で締め!

因縁が絡み合っていく…

 ロックスとイムの対決がメインとなった今回の話。

 まずタイトルにもなった約束ですが、どうも2人の会話を聞く感じだとデービー・ジョーンズは何かしらの約束が果たされることを望んでいたようですね。一方でイムはそれが果たされるべきでないと主張。ジョイボーイも約束関係について触れていたので、ここまでくるとデービー・ジョーンズは無関係と思えないんですよね。最低でも仲間や同じ陣営、なんだったらこの2人で約束を決めたか、または同一人物の可能性も…。

 ちょっとイムがロックスに対して、デービー・ジョーンズと同一視しているような言い回しが気になりますね。まあ、実際にロックスの言う通りの別人なんですが、ワンピースには受け継がれる意志がひとつの重要な要素にもなっていますからね。それこそロジャーがレイリーに自分は死なないことを話してましたし、ロックス自身もイムに自分は戻って来る旨を宣言していましたから。

 そしてラストは予想通り、ロックスがドミリバーシされましたね。ブロギーたちには魔法陣でやっていましたが、今回は触手を突き刺し直接的に変化させてきました。これでなにか違いがあるのでしょうか?

 流れ的にはここから暴走し、それをロジャーとガープが止めたといったところでしょうか。他の3人は止めなかったのかと思いますが、状況的に撤退する方が自然ですからねえ。残っても悪魔化したロックスなんて絶対強いでしょうから、簡単に勝てる相手じゃないでしょうし。

 そういえば作劇の都合もあるのでしょうが、現時点では彼一人の悪魔化でしたね。技の特性上、2人以上にやった方が絶対効果的な感じはするのですが…。

 それでもここに至る前の見開きページによるメンバーの総攻撃は圧倒されました。前回の3人に加えて、ロジャー、ガープ、マムも参戦した一斉攻撃は偶然とはいえ、作中ではぶっちぎりの破壊力と言えるでしょう。個人的にも今回の中で一番好きな場面です。

 何気にロックスと白ひげの技名が判明したのが嬉しいところです。“深淵の呪い(パンデモニウム)”“破空阿(ハクア)”…どちらもカッコいいですね。カイドウの“龍”は…まあ、能力を得て間もない時ですからぱっと思いつかなかったのでしょうね。それこそこれが“熱息”になったのでしょうか?

 それほどの威力でありながらも、まったく決定打とならずにすぐ再生してくるイム。描写的に覇気も纏った一撃でしょうが、聞いている様子はありませんね。これもやはりギミックがあるのでしょう。騎士団と同じであればもっとダメージがあってもおかしくないはずでしょうから…それこそ対抗手段にニカのカートゥーン能力やヤミヤミの能力無効が必要になってくるのではないでしょうか。むしろ覇気でビビらせたジョイボーイは何なのよ…。

 にしても、ガープまで参戦してくるのは驚きでしたね。いや部下は巻き添えになった上に性格的にもおかしくないですが、さすがにここまで堂々と悪態と直接攻撃に走るとは…。さすがはロックスにもう海賊でいいだろとまで言われた男です。結果的に親子3代で天竜人に逆らったことになるんですかね。

 むしろここまでやっておいて、よく海軍に残っていますよね。それともここである程度知ってしまったからこそ、残らざるを得ない状況に追い込まれたとか?

 デービー一族とイム関係、強者の一斉攻撃が印象的でしたが、中盤でも他の海賊たちによる大混戦は見ものでしたね。中でも特に目立っていたのはジョンとガンズイ。ジョンは最近の描写も踏まえて予想通りの前ジキジキの能力者。キッドが金属を集めて武器を形成するのに対して、引き寄せに特化した使い方をしています。とはいえその範囲は見事なもの。強欲さが印象的な逸話通りの宝の集めっぷりです。

 ここにストップをかけたのはガンズイ。初登場は胡散臭いサングラスした巨漢としか思っていませんでしたが、ここに来て前ボムボムの能力者であることが判明です。威力も申し分なく、描写的にMr.5以上でしょう。技名的には鼻くそじゃなくて体の垢…どっちにしろ汚いな!でも密輸海賊の異名も分かる気がします。この能力なら爆発物を密輸し放題でしょうから。

 もっとも宝の価値や彼の異名も踏まえれば、分け前なんて選択肢はありえません。ジョンどころかシキも狙う始末です。揃いも揃って実力や我の強さがあるからこそ、こういうところで瓦解するんでしょうね。王直だってそうでしょうし…。そういう意味ではロックスが妻や子供の件を明かせないのも説得力が上がります。それこそ白ひげのような性格や、マムとシュトロイゼンのように以前から強い信頼関係が無いと…。

 しかしジョンの方は今後も名を上げていたはずなのでここでリタイアはないでしょう。むしろガンズイの方が話に上がってこないので、ゴッドバレーでやられた可能性があります。それこそ今回の件でシキに返り討ちにされて、スリラーバークのゾンビに…。SBSで判明したギル・バスターもいますし、やっぱりゴッドバレーの土地がスリラーバークになったように思えてしまいます。

 にしても、シキがジョンに攻撃したことを驚いていたようなリアクションでしたが、彼も王直と組んで大概なことをやっていたような…。

 怪物級の実力者とロックス海賊団の瓦解に納得しつつ、また次回!

第1164話「デービーの血」 それが受け継がれる意味 - ワンピース航海記録