1166話の感想です。
今回はカラー扉絵。ワノ国女性陣と共に秋の焼き芋大会です。美味しい焼き芋にほっこり、アチアチです。眼鏡をかけたルフィやニット姿のヤマトと珍しいおしゃれが見える場面も。またジャンプの表紙ではロックスのカラーも判明しています。
多くの人たちが脱出を図る中、暴走したロックスを止めるために、ロジャー&ガープが奮闘。彼の無念さを汲み取った2人は最大の覇気を込めた攻撃を決めて…。
節目の戦い
雨が降り注ぐ中、最初に目を覚ましたのはロックス。体の大きさは元に戻っており、正気に戻ったようです。とはいえダメージはすさまじく、倒れたまま身体も動かない状態。彼に攻撃したロジャーとガープも限界が来て、意識を失っています。
そんな一行の元に現れたのは、ガーリング、ソマーズ、マッフィーの騎士団メンバー。もはや命の望みが絶たれたロックスですが、最後に抱いたのは悪魔化した自分を正気に戻してくれたこと。
(ありがとよ…)
少し場面は進み、ロジャーとガープが目を覚まします。レイリーとギャバンが2人を担いで脱出しているようです。ロックスがどうなったかを問いますが、レイリーは殺されたことを話し…。
戦いの余波か島自体が崩壊していき、多くの人々が逃げていきます。歴史にこそ残らなかった事件ですが、そこにいた人物たちの大きな契機であり新たなスタートとなったのです。
英雄の行く末
さて船で目を覚ましたロジャーを待っていたのは、仲間たちによる奪ったお宝の披露。シャッキーも無事に救出し、宝箱もかなりの数を手に入れて大収穫です。そんな中、ひとつの宝箱から妙な声が。中を開けると、そこには赤ん坊が笑っており…。
一方で新聞にはガープがロックスを倒したという報道が。この不完全な情報に、ガープも納得いきません。見舞いに来ていたセンゴクは、彼をなだめつつ上層部に怪しい動きがいても見て見ぬフリを決め込みました。
この発言を無視できぬと手が出る喧嘩に発展。ただセンゴクとしても考えはあるようで、組織である以上は崖の下にいたところで何も変えられないことを実感しているゆえの行動なのです。それに昇進しても、ガープのように殴ってでも止めてくれる親友がいるのですから安心です。
ガープの方も昇進は興味ありませんが、改めて大きな決心があり海軍に残ることを決めます。
「おれには“崖の下”で守るべきもんがいっぱいあるんだ!!!」
もうひとつの決断
こんな2人以上に大きく気持ちが突き動かされていた人物たちがいました。エルバフの冥界にてロキは大きな岩盤に当たりながら、大泣きしていました。
思い出していたのはロックスがハラルドの勧誘に来ていた際の会話。ロキはロックスこそがニカであると伝えました。彼こそが世界を壊す解放の戦士だと。
しかしロックスは自分ではなく、ハラルドの方がふさわしい旨を伝えます。強力な巨人族の集団ガレイラをまとめられるハラルドと、ならず者をまとめられるロックス、この2人が組めば最強という主張に、ロキは憧れるのです。
愛ゆえに仲間にならないハラルドですが、それでも勧誘を続けると宣言するロックス。しかし彼はもうこの世におらず、憧れた男は二度と来ない事実にロキは涙するのです。
そんな彼に劣らないほど慟哭していたのは、父親のハラルド。とある島にて人間から略奪しようとしたチンピラ巨人を、憤怒の形相で殴り倒していました。謝る相手に、ハラルドは一向に手を緩めません。その大きさゆえに暴れる巨人がいたから、彼らは世界と共存できない。どれだけ平和的に解決しようとも信じてもらえない。血塗られた歴史に悩むだけでなく、大事な親友のロックスに助けを求められても彼の望む理想に相反して断った日のことが彼を苦悩させていました。
「―――もう引き返せない!!!おれは巨人族の!!悪を許さない!!!」
涙と返り血にまみれたハラルドは、家族とヤルルに別れを告げて海軍本部へと出航。海兵たちの制止も聞かずに上陸した彼は決意として、なんと古代巨人族の象徴でもある自身の角をへし折りました。
同時に言葉にしたのは謝罪の言葉。かつて世界を震撼させ、今も残る1000年分の暴力の歴史を謝罪し、他の種族と手を取り合い子供たちの平和を望むことを口にします。
「その為ならば私は奴隷にでもなろう!!!」
ドツボにはまっている…
ゴッドバレー事件の真相とハラルドの激情が印象的であった今回の話。電子版は昨日の公開でしたね。
まずはついに決着がついたゴッドバレー事件の真相。シャッキーの救出、お宝の争奪戦、イムによるロックスの洗脳など様々なことがありました。歴史の闇に葬られたこの事件は、最後に騎士団がロックスを仕留めて終了しましたね。故郷をぐちゃぐちゃにされて、家族を手にかけようとしたことを思えば、最後に礼を言えるくらいだったのが救いですかね。
一方でロジャーとガープはレイリー達に助けてもらいましたが…。もしかして2人も騎士団と交戦したのかもしれません。
しかしこの真実を知るとガーリングがゴッドバレーの王者と呼ばれていたのも、ツッコミを入れたくなる気持ちです。実力じゃなくて、完全に漁夫の利ですもの。大会としては王者かもしれませんがね。ただイムから見ると、偶然ながらもデービー一族の拠点見つけるわ、最後にきっちり後始末するわで好感度は高そうだ…。
そして政府的に事件は黙殺したものの、生き残った者が多くいるのも現実。この事件に決着をつけたロジャーとガープですが、ロジャーの方はシャンクスとの出会い、ガープの方はセンゴクと今後の海兵としてのいきさつについて話していました。ガープは何気にドラゴンの解放もやってましたね。クザンとの修行場面から革命軍になることまでは想像しなかったみたいですが…。いずれにせよどちらの陣営も現代を大きく左右するメンバーが関わっています。
陣営と言えば、ロックス海賊団は完全に散り散りになりましたね。旧四皇組は独立していますし、他の猛者共も同様です。グロリオーサは何気にロジャーの船に乗っているし、こういうのもあったから恋煩いの死は避けられたんだろうな…。
にしても、個人的には白ひげが残っていたらロックスの死は避けられた気がするんですよねえ。なんかあっさり撤退しましたが…まあ、ロジャー&ガープと違って、今の時点では守る者も無いですし、彼らのようにロックスの心の声は聞こえなかったみたいですからね。もうちょっと腹割って話して信頼関係を築けば…。
そういえばロジャーで思ったのですが、バギーが全く出てこないんですよね。シャンクスと同い年で早い段階で見習いしていたので、てっきり今回で関わってくるものだと。いちおう、赤ん坊の声が宝箱から聞こえる時に吹き出しの位置が微妙にずれているので同じように宝箱にいる可能性も…?というか、その場合は同じようなことをした人が他にもいるということでしょうかね?
そして後半からはロキとハラルドの描写。親子そろってロックスの死にショックを受けています。特にハラルドの後戻りできない感はすさまじいというか…。あんな形でロックスからの誘いを断ったから平和に固執するのは分かりますがね…。実際、飢饉の一件で世界からの助けが得られないのがどれほど恐ろしいかも理解できますし。
ただ最後の角折りの場面が、個人的にやってしまった感があるのも事実です。ロックスが危惧していたのはこういう状況ですし、イムからすれば鴨が葱を背負って来たようなものですからね。最後のイムのコマが不穏すぎます。むしろここからどうやってエルバフ支配まで持っていけなかったのかも気になるところです。イムやソマーズは彼がしくじったといってましたが…。
しかし読者目線だからこう言えますが、ハラルドからすれば急ぐ気持ちも分かります。実際、民の意識改革や他国との交流はだいぶできたようですし。でもサウロがロビンに話していたことを思うと、エルバフ=野蛮のイメージはなかなか払拭できていないんですよね。というか、若い頃のハラルドがその一助になった可能性もあるんですし。
しかも息子2人とも別に政府側につこうとも思っていませんからね。ロキは言わずもがな、ハイルディンだって巨兵海賊団の復活を祈り、ルフィの傘下にいるくらいですし…。
絶妙にかみ合わねえなと思いつつ、また次回!