ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第940話「反逆の火種」 トの康さん何者よ・・・

 940話の感想です。

 扉絵リクエストは「夏祭りの屋台でクオリティの高い麦わらの一味のアメを作るも誰にも売りたくないバルトロメオ」です。周りが動物だらけのアメなせいで一味のアメがより際立っている気がします。それとそろそろ表紙連載も見たい・・・。

 

第939話「老いたる豹は路を忘れず」 武装覇気は刀に通ずる - ワンピース航海記録

 ゾロが助けた女性はモモの助の生き別れの妹の日和でした。彼女がどうやって生き残ったかを話す中、花の都では反逆者たちがかたっぱしから捕まっていました。一方、兎丼ではルフィとヒョウじいのインフェルノ相撲の真っ最中。ルフィが学びたい武装色の覇気の使い方をヒョウじいができるようで・・・。

都を追放されても

「信頼し合えねェ者同士が死線で背中を預けられるとは思えねェ!!」

 冒頭、ウソップとナミがローの出ていった光景を思い出します。ローの言い分を指示するウソップに、ナミはしのぶの言い分もわかると言います。少なくとも自分たちは拷問は耐えられないなどの会話もします。でもこの二人もなんだかんだで口を割らなさそうようね。

 するとえびす町で怒号が響きます。ウソップ達が不審に思うと、ひょっこりと現れたばあさんが説明してくれます。なんでも花の都から追放される都落ちをした男達がいるのですが、いまだにその当時の傲慢さがあり町の人たちに当たっているのです。なんでも彼らは3人で組んで役人を買収しつつ私腹を肥やしていたのです。

 するとこの男達にウソップは見覚えがありました。そう、あの小紫に貢いでいた男達です。因果応報の形ときたか。彼らにはトの康が世話を焼いてあげているようで・・・。

笑う貧乏男

 さてそのトの康ですが、カン十郎、しのぶ、サンジ、ロビン、フランキーたちと決戦についての話をしています。彼が言うには逆さ三日月の入れ墨を知られたのは手痛いもののそれすら知らなかった反乱者もいるとのこと。だからこそ知った自分も協力すると言って、家を出てきました。

 

 底抜けに明るい彼とカン十郎たちの関係はサンジ達だけでなく読者も気になるところ。その関係性を2人に問うと

「それがわたす達にも」「わからぬのだ」

 なんとしのぶもカン十郎も困った様子で応えます。トの康が一方的に話していたというのもありますが、それに加えておでんの臣下である彼らをくん、ちゃん付けで呼ぶほどなので失礼があってはいけないと中途半端な反応になったようです。

 

 そんなトの康ですが、彼は一軒一軒を訪ねて町民たちに水や食料を渡したり、持ち前の明るさと口の上手さで元気づけたりしていました。

 その姿に感心するウソップとナミですが、別に彼が裕福というわけではなく娘であるおトコからの仕送りを「独り占めするのはもったいない」ということで他の皆に分け与えているのです。しかも自分はほとんど食わない状態で。

 見た目も言動もバカらしい雰囲気がある彼ですが、周りから愛され慕われる姿はまさに仏と言われるほどの素晴らしい人柄なのです。ある意味、この町は彼の存在で成り立っているようなものなのかもしれませんね。

兎丼に灯る反逆の火

 さあ場面は再び兎丼へ。マジロマンの撃つ銃弾をかわしながら、ルフィはヒョウ五郎からワノ国での覇気について学びます。なんでもワノ国では“流桜”と呼ばれており、流れるという意味を持つのです。

 その意味にならって武装色の覇気をまといつつマジロマンに攻撃しますが、いつも通りの武装硬化によるパンチ。マジロマンを倒すには充分ですが、期待するような弾き飛ばす攻撃ではありません。

 その後も来る相手来る相手に武装パンチを打ちこみますが、残念ながらうまくいきません。結局この日はうまくいかずに処刑時間終了。飯も与えられずに次の日に持ち越しとなります。

 

 多くのものが寝静まっている中、土俵にいるヒョウ五郎はルフィにカイドウに相対する理由を静かに問います。とりあえず見張りに聞かれないように覇王色の覇気で気絶させると、四皇とカイドウについて説明し、自分の夢である海賊王になるためにも彼を倒す必要があると言います。

 四皇のことこそ知らないヒョウ五郎でしたが、ロジャーのことは知っていました。以前、ワノ国に来たときに知ったようです。さらにそこから錦えもんの名前も出て驚くヒョウじい。そこにカリブーと彼の沼の体に隠れていた雷ぞうが現れます。なんだこの強烈など根性ガエルもどきは。

 

 雷ぞうがヒョウ五郎にことのいきさつを話している最中に、ルフィはカリブーと会話中。なんでも雷ぞうが盗んだ海楼石の錠の鍵は彼のものだったようです。カリブーはもう自分はルフィの子分だと主張し、強力の代わりに帰りの船に乗せてくれるように頼みます。いかにも胡散臭い笑顔に見えますが・・・

「―――よしいいぞ心を入れかえたんなら」

 思った以上にあっさり受け入れました。この反応にはカリブーも驚き、むしろビビられる形になっていますね。

 

 そして話を聞いたヒョウ五郎は前にも見たような体勢で反乱の火がまだ残っている、それどころか再び大きく燃え上がりそうな子の現状に体をわなわなと震わせていました。

 自分も強力すると主張するヒョウ五郎がここでさらに反逆者達を増やす提案をします。というのも兎丼の作業場はここ以外にも4つあり、さらに多くの罪状がオロチの反逆というのです。いわばオロチへの恨みや怒りがこの兎丼に集約しており、かつてワノ国を裏で支えていたヤクザ達もいるとのこと。

 同じく昔はヤクザで裏を取り仕切っていたヒョウ五郎が口をきいてくれるというのです。さらに河松もいるため、ここを崩せば大きく戦力が上がると言っていいでしょう。とはいえ、それでも災害の一人に多くのSMILE能力者もいるここを崩すのは難しそうに思えますが・・・

 

「ねむい腹へったねむい腹へった おしるこまだかい?お菊ちゃん」

 兎丼の荒野ではついにチョッパーたちが到着。まさに採掘場を崩壊させるほどの化け物が現れたところで、今回は終了!

何者だ、トの康!?

 おこぼれ町と兎丼に焦点が当てられた今回の話。

 まずはおこぼれ町の方ですが、以前に小紫に貢いでいた男達が再び登場します。彼らの本性は3人で組み、風が吹けば桶屋が儲かるのを意図的に引き起こして私腹を肥やしていた悪党でした。私は前からこの3人へのフォローが必要だと言っていましたが、彼らをじつは悪党だということでおさまりましたね。

 この手の帳尻合わせって悪いやつに同情できる面もあるとかは嫌いじゃないのですが、今回のようなケースは私は苦手ですね。なんか後出しじゃんけんのような露骨性に見えるような気がするんです。でも考えてみれば、遊女のために家族を捨てたような男だからある意味こういう形に収まったのは当然かもしれませんね。フォローもないよりはずっといいですし。

 それよりも気になったのは、これはもしかして小紫、つまり日和が意図的にやった可能性があるということです。こうなると彼女も裏から悪党を陥れていたことになりますが、ますます狂四郎が味方として動いているような気になってしょうがありません。登場していないのにあいつの立場が気になってしょうがない。

 

 立場というか何者なのかすらわからないといったらトの康です。おそらく読者も一番気になったのはコイツではないでしょうか?

 938話でカン十郎たちを知っている様子でしたが、そのカン十郎たちの方はトの康について心当たりがないようです。あのフレンドリーな様子からロビンの言うように幼なじみとかがしっくりきますが、それだったらすぐわかりそうなものだしな。

 さらに血縁関係として、彼の娘がおトコであることが判明します。うんまあ似ているよね、あの底抜けの明るさは。でもトの康けっこうな年にも見えますが、その割にはおトコって若いですよね。年取ってから出来た子どもだったのでしょうか。

 

 いずれにしろ、彼はちょっと謎すぎます。ありえそうなのは丑三つ小僧とかですが、そこは重要ではないのです。彼は過去のワノ国でどういう人物だったのかが気になるのです。赤鞘九人男の最後の一人である傳ジローかもと思いましたが、シルエットが違いすぎるしその場合は口調や面影でカン十郎も気づきそうなものだしな。あるいはおでんの友人、おでん以外の大名とかもありそうですが・・・ちょっと謎すぎて不気味にも思えてきました。正直、狂四郎や牛鬼丸以上に気になる男だ。

 

 一方、兎丼ではインフェルノ相撲を利用してルフィが弾き飛ばす武装色の覇気を習得しようと頑張っていました。しかしこの様子じゃまだ時間かかりそうですね。カイドウと戦う際に習得するのかな?

 またヒョウ五郎から兎丼には他にも反乱の分子がいることが判明します。この流れはドレスローザのときと似ていますね。かつてワノ国のヤクザを一括していたような裏の顔であるヒョウ五郎がいれば説得するのも容易いでしょう。

 さらに正式にカリブーもルフィの部下となりました。覇気さえ使われなければ強力な自然系の能力者なのでなかなかの戦力です。カイドウの拷問にも屈しなかったようですから意外とガッツもあるのかもしれません。彼って強いものになびくというよりも狡猾に立ち回っておいしいところを頂くタイプなので、我慢強さに定評があるのかも。

 

 しかしこれはルフィ達の陣営がかなり戦力過多になっている気がしますね。オロチの実力がよくわからないし、百獣海賊団の真打ちには肩透かしくらってばっかりだったので、あんまり緊迫感がない気がするなあ。現状、敵の脅威がカイドウと三災害で保たれているようなものだし。それすらラストの記憶喪失中のマムの存在で、クイーン辺りが怪しくなってきたものです。ドンマイ、クイーンさん(涙)

 

 進行の遅さ以上にキャラの存在でちょっとワノ国編がモヤモヤしてきたところでまた次回!

第941話「えびす町の人気者」 ひょうきん者の正体 - ワンピース航海記録