ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第939話「老いたる豹は路を忘れず」 武装覇気は刀に通ずる

 939話の感想です。

 扉絵リクエストは「海底でタカアシガニがジンベエの散髪をしているところ」です。リクエストでタカアシガニという具体的な種類が出ていることに驚きます。脚の模様もあるのがいいですね。

第938話「女の秘密」 あっさりカミングアウト - ワンピース航海記録

 花の都では、反乱を示す逆さ三日月の件がばれて作戦の決行が危ぶまれます。いっぽう激闘の末に人斬り鎌ぞうを破ったゾロは倒れたところを助けを求めてきた女性に介抱されます。その彼女の正体はなんと行方不明であったモモの助の妹である日和だったのです。

過酷な20年間

 前回ラストのカミングアウトに驚くゾロの反応に、日和はなぜか安心した様子。というのもこの告白は賭けであったようで、外国の侍が光月家復活のうわさがあるときにワノ国にいることからモモの助の知り合いだと思ったみたいです。まあ敵の可能性もなくはないですが、だったらカイドウの傘下でしょうしもっと色物みたいな見た目してそうですものね。

 年齢などを聞いて日和とモモの助の兄妹関係に納得した様子のゾロ。おトコの存在も気にしますが、彼女はこのことを知っているようです。にしても、ゾロの想像したモモの顔が酷いな(笑)

 

 20年前に目の前で身内と家臣の多くを一気に失った日和。加えて光月家の血を途絶えさせないためとはいえ、兄弟を離れ離れにしたうえにそもそも兄は未来に現れるという不確定話と6歳の女の子には心身ともに苦しい状況だったでしょう。

 そんな彼女を救ったのはおでんの家臣であった河松。河童である彼は水路を通って日和と共に脱出。さらに冗談を言って元気づけたり、食料を取ってきたりと彼女を支え続けたのです。いい奴すぎだろ、河松!

 

 さらにゾロの情報でイヌアラシとネコマムシもワノ国に来ていることが判明。これでおでんの臣下であった赤鞘九人男のうち6人が味方でいることが判明します。残りは河松、傳ジロー、アシュラ童子の3人。集合してくれることを祈るばかりです。ゾロの方は休息のために眠りますが、やはり集合場所と同士が捕まったことには不安があるようで・・・

 

 予想通り、花の都の羅刹町では多くの者達が牢屋に入れられています。この羅刹町には牢屋敷があり、通行人が見れるようになっています。

 逆さ三日月は昔の流行り模様と主張しても福ロクジュは取り合ってくれません。さらに牢の中にはボロボロの状態のベポたちもいます。これは思った以上にことが深刻な気が・・・。

侠客の本気

 さあ場面は兎丼に変わって、ルフィ達のインフェルノ相撲の様子が描かれます。河松が牢の中からまた相撲を取りたいなどと思いますが、その様子は相撲とはかけ離れた処刑方法。

 ついにSMILEを持ったギフターズが投入され、サーベルを持ったアルパカマンと銃を持ったマジロマン(アルマジロのSMILE)がルフィ達の前に立ちはばかります。さらに銃弾は海楼石製と能力者対策もしていきます。やっぱりゼファー先生は来ていたのかな。

 

 さあ処刑が続きますが、ルフィがヒョウ五郎に動きの指示。突然のことに驚きますがヒョウ五郎はその動きをきっちりこなして相手の攻撃をかわし、さらにはアルパカマンのあごに頭突きまで決めました。ルフィもルフィでマジロマンの銃撃をかわしていくし、もう彼は見聞色の覇気の未来視をマスターしていますね。

 ヒョウ五郎に指示を出しつつ、自身もマジロマンに攻撃を入れようとするルフィ。顔面をアルマジロで覆うマジロマンですが、なぜかルフィはギリギリで拳を止めます。どうも武装硬化で殴ろうとしたのですが、これだといつも通りな様子で直前で止めました。

 

 とりあえず指示を出すのも面倒なので、ルフィはヒョウ五郎を背負います。そのままどうやれば弾き飛ばすような武装覇気を出せるのかを考えます。

 すると以外にもここで口をはさんだのはヒョウ五郎。ワノ国にも似たような力があるようでそれは体を通して刀に伝えるもの。その力は刀へ反映するため「良い刀は斬りたいときに鉄をも斬り斬りたくない時は紙すら斬れぬ」というのです。

 

 ヒョウ五郎はルフィに指示を仰ぐと、背中から飛び降りてアルパカマン目指してダッシュします。指示通りに攻撃をかわすと、顔に目がけて武装硬化状態の掌底!その攻撃は相手を見事に弾き飛ばしました!その一撃はアルパカマンをダウンさせます。多くのものが驚く中、ヒョウ五郎はルフィに振り向きます。

「お前さんがやりてェ事・・・———もしコレなら・・・少しァお力になれるやもしれん・・・!!」

「お!!教えてくれ!!!それだよォ~~~~っ!!!」

 ということで、ヒョウ五郎を師匠にして特訓開始です!

パワーアップに期待が持てる

 話の進みが遅いものの、ちょこちょこ気づかされた今回の話。

 まずは日和についてですが、彼女を逃がしたのは現在兎丼に捕まっている河松でした。あの描写を見る限り、赤鞘九人男の中でも特に日和のために力を注いだ人物で笑いもしなかった彼女に再び笑顔を取り戻させたほどです。聖人ならぬ聖妖怪かよ、河松さんよ!

 また明確に河童であることが明かされたり、赤鞘九人男ということで実力の面からも期待できます。いい奴すぎてデザインが未だに不明なのにもう好きになっている自分がいますね。

 

 それと赤鞘九人男のメンバーも判明しましたが、イヌアラシとネコマムシも入っていたんですね。彼らは別枠だと思っていました。日和は協力を願っていますが、アシュラ童子の方はモモの助が頑張らないと難しそうな気がしますね。あとメンバーの菊の丞ってお菊のことですよね。うーん、男っぽいな。

 また気になるのはその存在も不明な傳ジローです。シルエットでは髪を束ねたシンプルな侍に見えますが、まだどんな人物かはわからないんですよね。私は赤鞘九人男のメンバーに飛徹を考えましたが、もうきつくなってきたかな。そもそも目的がはっきりしないキャラ(居眠り狂四郎、牛鬼丸など)もいるし、新キャラだったら予想しようもないんだけどさ。

 

 一方、花の都で捕まっていた反乱の同志たち。コマだけの登場していたキャラがいましたね。

 それと逆さ三日月の件ですが、相手に光月家を支えていた福ロクジュがいましたね。あの逆さ三日月の存在さえ知れば、彼が推理することも出来そうです。それでも居眠り狂四郎は敵として、赤鞘九人男の侍と勝負してほしいですけど。

 ただメインキャラが捕まっているわけではないので、いまいち緊迫感には欠ける気がします。やっぱりこのまま全面勝負するくらいの勢いでいって欲しいのが本音ですね。

 

 そしてまさかの武装覇気による弾き飛ばしが可能であったヒョウ五郎。小さい体にもかかわらず、その攻撃力はSMILEの能力者をダウンさせるほどの力でした。彼の言い方を聞く限り、武装覇気こそワノ国の刀をより高める力なようですね。これならヒョウ五郎はルフィの武装覇気の師匠になってくれそうです。そう考えると、ある意味カタクリはルフィの見聞色の覇気の師匠だったのかな。

 それとヒョウ五郎の覇気と刀の説明、あれはゾロの師匠であるコウシロウの言葉ですね。そうなると彼はワノ国出身だったのでしょうか。となれば、ゾロはワノ国の侍から幼少の頃から教えを受けていたことになるのですね。スナッチという掛け声もこれで納得です。ただそうなるとワノ国ではどういう存在だったのか気になりますね。意外と彼こそが傳ジローだったりして。

 しかし尾田先生はこういう後付け設定のすり合わせが上手いですよね。覇気もストーリーを面白くさせる要素としてしっかり取り入れていますし。

 

 ワノ国編は盛り込みすぎて進みが冗長に感じますが、今回の話を読んで個人的に麦わらの一味三強のパワーアップイベントに期待できる展開な気がしますね。ルフィは武装覇気のパワーアップ、ゾロは覇気で刀を鍛えることによる黒刀の扱い、サンジはレイドスーツの使いこなしとこの三人の見事な揃い踏みにも期待できそうです。

 また私の個人的な注目点は日和の人生。アシュラ童子の話していた20年が一番過酷だったのは彼女なのかもしれません。6歳という若さであらゆるものを失い、仇討ちしたい存在に目をつけられるなどその苦しさは想像を絶すると思います。

 そう考えるほど、小紫としてのあの非情な面のフォローが欲しいですね。反乱後の光月家として存在するなら尚のことですよ!可愛いから許すのは納得できませんからね!可愛いですけど!

 テンポは微妙だったけどわりと今後が楽しみな布石に喜びつつ、また次回!

第940話「反逆の火種」 トの康さん何者よ・・・ - ワンピース航海記録