40話の感想です。表紙連載は「知力戦」。落とし穴で大鳥を落とすことを計画しますが、見破られています。大鳥ですら、呆れているように見える(笑)
「ゴムゴムの鐘」で遂にクロを倒したルフィ。ふらふらと倒れそうになるところをナミが抱えます。一方ウソップは今回の大きな一件を、自分のウソとすることを決め、カヤたちと話します。
ストーリー
ワンピース屈指の盛り上がる名話です。村を守るためにウソップがとった行動や彼の決心など、ウソップについて今後が大きく変わる内容が多い回となっています。
注目してほしいのは、やはりラストのウソップとウソップ海賊団のシーン。ワンピースファンなら一度は読んだことがあるであろう名場面です。野望を目指す彼らの決意がよくわかる素晴らしいシーンです。
登場キャラ
・ルフィ
見事クロを倒し、ほっとしたのか倒れそうになります。その後ぼそぼそと言うように、彼にとって今回の相手の海賊のありようについては許せるものではなく、怒りというよりは悲しみを感じさせる雰囲気でした。
またクロをクロネコ海賊団に投げ返す前に、「海賊王になる」発言もします。しっかり名前を轟かせようとする海賊らしさが出ているのは、今後を期待させてくれます。読み返すから思うのかな?
・ゾロ
刀を鞘に納めた後は、すたすたとルフィ達のもとへ向かいます。出番こそ少ないですが、ウソップ達に気を利かせたのではと思わせる行動でした。その後ウソップにかける言葉も、ウソップのことを立ててくれる内容です。やはり「漢」を見せてくれます。
・ナミ
宝を回収し、倒れそうになるルフィを支えます。言葉だけは海賊について残忍性を認めているようなセリフですが、その表情は優しいものでした。彼女の中でもルフィ達への信頼は大きくなっているのでしょうね。
・ウソップ
この話の主役といえる活躍です。極悪な海賊が襲ってきたことを、村の人たちが考えていたようなウソとして通し、自分はこれまで通りウソつきとしていることを選びます。これも村の人たちに余計な恐怖を与えないための配慮なようです。細かいことかもしれませんが、彼の村への愛情がよくわかります。
そして最後には今まで一緒に遊んできたウソップ海賊団の3人に自分の野望と決意を話します。愛した村を後にしてまで海へ出るのは、憧れた海賊になるため。大好きなもの、愛するものを捨てるのはとてもつらいですが、夢のためにそれができるのは彼の決断力と野望の大きさがわかります。
・ウソップ海賊団
ウソップの提案を聞き、今回の一件を秘密にすることを約束します。子供ながらにしっかり約束を守るのは、彼らのいいところです。
そしてラストにはウソップの決断に最初は反対するも、最後は彼らも自分の野望、夢を語り、涙ながらにウソップの言葉を聞きます。3人とも野望はそれぞれながらも大きいものであることが伺えます。それを自分の口から言うことで、ウソップの野望の大きさも実感したのかもしれません。
・カヤ
ウソップの言うとおりに、今回の一件を秘密にすることを約束します。彼女自身もウソップの冤罪を晴らしたいとは思っているような様子はありましたが、それ以上に彼の意見を尊重したかったようです。表情も穏やかですね。いつものウソップに安心したのでしょうか?
その後には執事のメリーの手当てをしながら、何かお願いを・・・。
・メリー
傷を手当てされながら、カヤから今回の一件をウソで通すことを聞きます。クロ本人に手をかけられた人物でもあるので彼に話すのは当然ですね。
そしてカヤからあるお願いをされました。その件については次回で。
・シロップ村の人々
寝坊したり、本調子でなかったりとウソップが来ないことに寂しさを感じているようです。特にモップ持ったおじさんは前日強く言い過ぎたとまで思う始末に。ウソップが朝来るのも含めて「いつもの日常」だったのでしょうね。
個人的名セリフ&名シーン
・ルフィ「おれはあいつら嫌いだ あいつら間違ってる・・・!!」
前半のルフィとナミの会話での彼のセリフです。仲間を大事にしない怒りを思いっきりクロにぶつけていたルフィですが、「あいつら」と言っているところからクロネコ海賊団全員に怒りを感じていたようです。部下を平気で斬るクロだけでなく、そのクロを信用しきれず力に屈服しているだけの船員にも怒りを感じていたのかもしれません。やっていることも残虐的だったし。
・ウソップ「もう終わったことをわざわざみんなに話して恐怖をあたえることはねェ」
ウソップが言った今回の一件を嘘にする理由です。自分の汚名を晴らしたり、英雄扱いされるよりも、自分の大好きないつも通りのシロップ村を望んだ考えといえます。自分なら汚名晴らすのに必死になりかねないな・・・。
おそらくこの時点で海賊になる事を決めていたのかもしれません。
・ウソップ「今日限りをもってウソップ海賊団を!!!解散する!!!!」
ウソップの決意を語るところから、ラストの解散までの場面での最後のセリフです。今回ルフィ達と共に戦い、海に出て父親と同じ海賊になる決心をしました。ウソップ海賊団は特別なことはない海賊ごっととしてのグループですが、共に遊んだりした何気ない日常は彼らにとって大きな思い出でした。そして今回の大きな一件でより強い絆で結ばれたと思いますが、そのためか別れはとても辛いものです。しかし男として野望を追うために、涙ながらも別れを選択する彼らの姿勢には、とても心打たれます。
今回この前のページにある「それぞれの野望の火を~」にするか迷いましたが、短い方を選びました。とはいえこの場面全体がおすすめです。
ちょっと気になったのが、泣いているにんじん。顔がおっさんにしか見えず、感動場面なんですが読み返しだと面白さが優先しちゃうな・・・。
次回はシロップ村編のラスト。あの船も登場します。