ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1005話「悪魔の子」 頼り頼られ

 1005話の感想です。

 扉絵リクエストは「腹ペコの子猫と子犬にミルクとドーナツをあげるカタクリ」です。実際に万国の光景でありそうですよね。カタクリ兄さんならやってくれるでしょうよ。

第1004話「きびだんご」 味方キャラのやることじゃねェ! - ワンピース航海記録

 

 数で圧倒的不利を取られていた討ち入り軍団でしたが、お玉の能力により多くのSMILE能力者を味方に引き入れ反撃開始。一方、手負いの赤鞘には何者かの存在がいるようで…

男が口にしたのは

 冒頭、大宴会場ではブラックマリアがサンジにロビンへ助けを求めるように要求します。すでにバオファンの面をつけた女性、カイマンレディは城中に拡声させる用意もできており、さらにはブラックマリアの能力による粘着性の物質“私の糸(ハードガム)”が幾重にも張られ、麻酔銃を構えた部下まで待機しています。入った瞬間に捕縛されること間違いなしの準備ができています。

 となれば、あとは餌を撒くだけ。メリケンサックを装備したブラックマリアはサンジの顔を殴りまくり、彼に助けを呼ぶように言い放ちます。しかし一向に口を開こうとしない彼に、ブラックマリアの部下ですら感心します。おそらく彼は仲間を危険にさらさないようにしているのだと…。

 するとここでサンジが待ったをかけます。なんでも一言くらい言う時間が欲しいというのです。これはきっと最後まで不敵に憎まれ口でも叩くのかと、ブラックマリアの部下や読者は思いましたが…

「助けて!!!ロビンちゃーん!!!」

 まさかのがっつり救援要請!!

 

 そのまま自分が捕らえられている場所を言い、さらに捕まった事への謝罪、城中に彼の声が響き渡ります。

「ロビンちゃんが来てくれなかったらおれは殺される~~!!!助けて~~~!!!」

 あまりの情けなさに呆れる者もいれば、ロビンを狙っていることに納得するジンベエやフランキー、さらにウソップなどはこの拡声する存在にも気づき始めました。

 さて約束通り助けを呼びましたが、これで逃すほど飛び六胞は甘くありません。なんとここからはプライベートな内容。なんと彼女は捕らえた男を実力で屈服させ、ペットにするというサディスティックな趣味を持っていました。サンジ以外にも引っかかっていた人はこうなってしまったのか…!

 しかし全ての女性を愛するために生まれた男、これには断固として拒否します。再び拳を振りかざすブラックマリアですが…

悪魔の子、動く

 “スパンク”の掛け声とともに、巨大な手が彼女の顔に強烈な張り手!倒れたブラックマリアの視線の先には、待ってましたとばかりに一味の考古学者ロビンが現れました。どうやら能力で自分ごとこの部屋にワープしてきたようです。

 さらに現れたブルックが黄泉の冷気で蜘蛛の糸を凍らせ、そのままサンジを救出します。氷の能力って便利だなー。

 勝機が見えないこの部屋にいられないサンジは錦えもん達の救出のために戦線離脱。ここはロビンとブルックに任せます。もちろんブラックマリアは逃がそうとしませんが…

「それでいいの?遺言」

 ミス・オールサンデー時代の不敵な笑みを浮かべるロビン。異名にふさわしい恐ろしさですが、一戦交える前に彼女はサンジに振り向きます。

「頼ってくれてありがとう♡嬉しかったわ」

 ロビンちゃんの笑顔に、サンジも読者も骨抜きです。

女たちの戦い

 一方、ドーム内の開かずの倉庫ではヤマトがサンジの声がした動物を捕らえていました。彼女の話では、これはメアリーズと呼ばれる偵察部隊。なんと絡繰動物(サイボーグ)だというのです。こいつら自体はただうろついているだけですが、視界を共有している人間のメアリーズもいるのです。

 つまりこいつらがいる時点でそこはすでに安全圏ではないということ。すでに敵が迫る中、ヤマトは服の中にモモの助を隠すと、しのぶと共に正面突破!隠れるどころかかなり脳筋な戦法かい!

 

 一方、3階では戦線復帰したジャックがマンモスの姿で猛進しています。手負いとはいえ飛び六胞が倒せるほど赤鞘は甘くないと踏んでいるようです。

 ブラックマリアとしては舐められた態度こそ気に食わないものの、これは好都合。ちょうど彼女には相手したい得物が現れたのですから。上半身を脱ぐとその背中には女難の文字が刻まれています。狙うはひとり、カイドウのためにロビンを視線を向けます。

「あんたはカイドウ様のものに…なるのよ♡」

「いやよ 死んだ方がマシ!!」

 巨大な女蜘蛛VS悪魔の子&生きる死体…ファイッ!

その行動に私が泣く

 個人的にツボを突かれる気分で良かった今回の話。

 とにかくサンジとロビンが今回良かったですね。まずサンジが素直に助けを求めた場面は、精神的成長を感じました。ホールケーキアイランド編までどうしても自己犠牲が目立つ彼でしたが、今回は仲間を信じて頼ることをしてくれたんですよ。長年サンジが好きな私としては、ようやくコイツその言葉を言ってくれたよと思いましたね。エニエスロビーでナミに言われた騎士道うんぬんの話や、ウソップに言ったできないことをやる話を思い出します。

 この展開に不満を覚える人もいるでしょう。今回、彼の取った行動は弱さ、情けなさとして認識される行動であると。それでも今まで一人で抱え込むしかできなかった雁字搦めの彼から、仲間に声で助けを呼ぶその一皮むけた強さは、私としては素直にグッときた場面でしたね。尾田先生はサンジの心理描写はかなり丁寧に描いている印象がありますわ。

 あとこのサンジの声に対して、仲間たちの反応も良いですね。フランキーとかようやくかよみたいな、あの思いっきりの笑い声が素晴らしいです。というか、あれのおかげでメアリーズの存在を掴んだものだから、そういうところはクレバーに立ち回るな。

 そしてロビンは仲間への想いはもちろんのこと、頼られたことをしっかりと引き受けているのが良いですね。ロビンとしては守られるだけでなく、対等な仲間として頼ってくれたと思うことですから。二年前はエニエスロビーで助けられる彼女の立場が、今回は助ける側に回っているのもたまりません。やっぱりこれまで弱音も吐かずに戦ってきた人が、自分に頼ってきてくれたとなれば本当に嬉しいでしょうよ!

 悪魔の子などと言われ続けてきた彼女の悪魔的な面が仲間のために発揮してくれるのも感慨深いものがあります。この彼女の強さも信頼しているからこそ、サンジは助けを呼べたのもあるのでしょうね。

 そして全体を通して美人&可愛いの連続です。登場の立ち姿はもちろんのこと、遺言の場面や最後のブラックマリアに対する笑顔、そして何よりもサンジへのウインク笑顔の破壊力は絶大です。あー、これはファンが増えますわ!サンジがロビンちゃんという気持ちが分かりますわ!

 あと地味にサンジを助けたのがブルックというのもポイントが高いです。ホールケーキアイランド編で度を越えた優しさとサンジを評価した彼が来るのは感情が動かされます。最近的に言うなら、エモいかな?

 

 ということで、ロビン&ブルックが相手するのは予想通りのブラックマリア。かなりのサディストな趣味も披露していましたね。屈服とかそりゃ、カイドウとも合いますわな。しかしラスト付近は本物の妖怪のような雰囲気でしたね。女難はオイオイと思いましたが、あの武器を持った立ち姿は恐ろしいですね。あの武器の先に着いている妖怪って輪入道でしたっけ。

 加えて、ジャックも戦線復帰。まだ完全に戻ってはいないようですが、それでもここまで動けるのは、ゾオン系特有のタフさが由来なのでしょうね。しかしこのままいけばサンジとぶつかりそうですね。というか、大看板のマッチングが未だにわかりませんね。サンジとマルコ辺りが有力ですが…あとは屋上にいない超新星くらいか?個人的にはサンジはクイーン辺りと期待したいです。

 

 それと前から厄介だと思っていたバオファン率いるメアリーズの存在が明らかになりましたね。名前は「壁に耳あり障子に目ありから」でしょうか。分かればある程度は対策が取れそうなのがせめてもの救いですね。しかしサイボーグとはフランキー張りの科学力を持った奴が…いるなぁ。

 あと地味に気になったのは、今回お色気が強い気がします。ロビンの立ち姿にブラックマリアの上半身裸体、さらにはヤマトのモモの助隠しです。絶対モモの助は性癖が捻じ曲がるぞ、あれ!

 

 いろいろ書きましたが、今回はとにかくサンジとロビンが良すぎました。どちらも好きなキャラなので、この展開にはちょっと熱い涙が出ましたもの。二人のやり取りが本当に好きなんです。

 こう見ると、このコンビも良いですね。映画とかではちょいちょい絡みあったけど、今回は本当に私の期待を裏切らない掛け合いを見せてくれました。ここからの勝負、彼らにしっかり注目していきたいと思います。

 感動に語彙力がついてこないことを悔やみながら、また次回!

第1006話「侠客“花のヒョウ五郎”」 強い奴が本当に強い - ワンピース航海記録